月刊化の弊害と利点について

珍しくまじめなコラムっぽいものを。


去年一昨年くらいから、Lyceeをはじめとするいくつかのカードゲームで、毎月新商品が出るといういわゆる「月刊カードゲーム」化するという現象が起きた。
ある程度固定ファンがついている作品であれば、そこそこの売り上げが期待できるので、利益確保の手段の一つとしてはよいだろう。


月刊化は、プレイヤー、コレクターにそれぞれ利点と欠点をもたらす。
プレイヤーサイドとしては、
・環境がめまぐるしく変わる
という両方を兼ね備えた点がまず挙げられる。
環境が変わるということは、新しいカードに触れられるということで、その分新しい遊びができる、カードプールが増えるという利点と共に、すぐさま新しいカードに対応しないといけないため、作品等で決め打ちしていない一般的なプレイヤーにとっては、研究する量が増えすぎるという欠点を生み出す。
一方で、たまに1か月以上エキスパンションが空くと、なんとなく物足りなくなるという厄介な状況をも生み出してしまう。
人は慣れるものだから、いつしか月刊化に対応したスピードで研究を進めることができるようになり、それがないと時間を持て余してしまうのである。


コレクターサイドは、
・集めないといけないモノが増えすぎる
という明確な欠点が存在する。
毎月のように総量が増えるため、全てをコレクションするためには、ある程度のお金と運やらコネクションが必要となる可能性がある。
一方で、月刊化によりすそ野を増やすことができるため、Tradingという意味では、優位に働く可能性が増える。
一人しかいない状況ですべてのカードを集めるためには、すべてを買う必要があるが、100人いれば、トレードでその労力を減らせる可能性が増えるからである。
とはいえ、コレクターにとっては月刊化はありがたくない状況であるのは間違いないだろう。


月刊化が必ずしもいいこととは思わない。
開発側も、毎月のように新カードを生み出すということは即ちそれぞれのカードについて精査する時間が減っている可能性が高いからである。
とはいえ、現状では、いくつかのカードゲームが月刊化されているのは事実であるし、ある程度の成果を収めているのだろう(後発のカードゲームが真似している状況を見る限り、結構な利益があるのではないだろうか)。


プレイヤーとして、また、コレクターとして月刊化しつつあるカードゲームにどのように向き合うかは重要である。
中途半端はよくない。どちらにするにしても、考えていく必要があるだろう。